茅の輪守りの正しい飾り方｜玄関に置く意味と期間をわかりやすく解説

神社で授かった茅の輪守り、どうやって飾れば良いのか迷っていませんか。

実は、飾る場所や期間には古くからの意味があり、特に玄関に飾ることは「家の守り」としてとても大切とされています。

この記事では、茅の輪守りを玄関に飾る際の正しい向きや高さ、交換の時期、そして古い茅の輪の納め方までを、初心者にもわかりやすく解説します。

読み終えるころには、あなたの玄関が穏やかな空気に包まれ、家族みんなが安心して過ごせる“清めの空間”へと変わるはずです。

茅の輪守りとは？その意味と由来

まずは「茅の輪守り（ちのわまもり）」がどんな意味を持つものなのかを見ていきましょう。

この章では、茅の輪の歴史や神話的な背景、そして玄関に飾る理由を分かりやすく解説します。

茅の輪の歴史と神話（スサノオノミコトと蘇民将来）

茅の輪守りの由来は、日本神話に登場するスサノオノミコトと蘇民将来の物語にあります。

旅の途中で宿を求めたスサノオノミコトが蘇民将来に助けられたお礼として、「茅の輪を身につければ災厄を免れる」と伝えたのが始まりです。

以来、茅（ちがや）という生命力の強い草で作られた輪は、厄除けと健康祈願の象徴とされています。

つまり、茅の輪守りを飾ることは、「家族を守る力を呼び込む」意味を持つのです。

なぜ玄関に飾るのか？守りの意味と浄化の考え方

茅の輪守りは、玄関に飾るのがもっとも一般的です。

玄関は「人や運気が出入りする場所」とされており、ここにお守りを置くことで悪い気を家の中に入れないという意味があります。

また、毎日の出入りのたびに自然と目に入ることで、「今日も無事に過ごせますように」と心を整える効果も期待できます。

神棚がある家庭では神棚に納めるのが理想ですが、神棚がない場合は玄関が代わりの神聖な場所になるのです。

茅の輪守りの正しい飾り方（玄関編）

次に、実際に茅の輪守りを玄関に飾る際の具体的な方法を解説します。

神棚がない場合の置き方や、飾る向き・高さなどのポイントを押さえておくと安心です。

神棚がない家庭での飾り場所の選び方

神棚がない場合でも、茅の輪守りは清潔で明るい場所に飾ることが大切です。

玄関ドアの上部や内側の高い位置に飾ると、自然にお清めのエネルギーが広がるといわれています。

壁掛けタイプの場合は、目線より少し高い位置に設置するとバランスが良く、見た目にも美しくなります。

玄関に飾る際の向き・高さ・注意点

玄関の内側に飾る場合は、外に向けるのが基本です。

これは、外から入ってくる悪い気を跳ね返すという意味があります。

高さはおおよそ180cm〜200cmが目安で、視界に自然に入る位置に置くと良いでしょう。

ただし、玄関のドアの開閉に干渉しないよう注意してください。

マンションやアパートでもできる簡単な設置方法

賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合は、フック付き粘着フックやマグネット式フックを使うと便利です。

また、小型の茅の輪守りをスタンドに立てて玄関棚に置くのもおすすめです。

最近ではミニサイズの茅の輪守りや、インテリア風のデザインも増えているので、生活空間に自然に溶け込ませることができます。

どんな環境でも「心を込めて飾る」ことが最も大切です。

たとえ小さな茅の輪でも、感謝の気持ちを持って設置することで、守りの力が宿るとされています。

茅の輪守りを飾る期間と交換のタイミング

茅の輪守りには「いつまで飾るのが正しいの？」という疑問を持つ方が多いです。

この章では、飾る期間や交換の時期、古い茅の輪の納め方について詳しく解説します。

一般的な期間（半年・一年）と地域の違い

茅の輪守りの飾る期間は、地域や神社によって異なりますが、基本的には半年から一年が目安です。

多くの神社では「夏越の祓（なごしのはらえ）」と「年越の大祓（おおはらえ）」の年2回で新しい茅の輪守りが授与されます。

そのため、半年ごとに交換する家庭も多く見られます。

一方で、行事に参加できない場合でも、一年間飾り続けるのは問題ありません。

大切なのは「穢れをためない」という意識で、年の節目に感謝の気持ちを持って新しいものに取り替えることが推奨されます。

夏越の祓・年末の大祓との関係

夏越の祓と年越の大祓は、人々の罪や穢れを清めるための神事です。

特に6月の夏越の祓では、神社に設置された大きな茅の輪をくぐる「茅の輪くぐり」が行われます。

その茅を分けてもらって自宅に飾ることで、家庭の邪気を祓い、健康を守るという意味が込められています。

一方で12月の大祓は、一年の穢れをすべて清めて新年を迎えるための行事です。

このタイミングで茅の輪を新しくすると、翌年を清らかな心で迎えることができます。

古い茅の輪守りの納め方と処分方法

使い終わった茅の輪守りは、感謝の気持ちを込めて神社に納めるのが基本です。

多くの神社では「どんど焼き」や「古札お焚き上げ」といった行事で、古いお守りを清めて焼却します。

参加が難しい場合は、自宅でも簡単に処理することができます。

手順は以下の通りです。

• 白い布を敷き、その上に茅の輪守りを置く。
• 清めの塩を軽くふりかける。
• 白い布で丁寧に包み、新しい袋に入れて処分する。

重要なのは「感謝の心を持って処分する」ことです。

形式よりも心を込めて行うことで、自然と穢れが清められます。

茅の輪守りを通じて感じる四季の行事と心の浄化

茅の輪守りは単なるお守りではなく、季節の節目を意識するきっかけでもあります。

この章では、四季の行事と茅の輪を通じた心の整え方を紹介します。

夏越の大祓と茅の輪くぐりの意味

夏越の大祓は、一年の前半を無事に過ごせたことに感謝し、これからの半年を健康に過ごすための儀式です。

神社で行われる「茅の輪くぐり」では、大きな茅の輪を八の字を描くように三度くぐり抜けます。

この行為には、心身の穢れを祓い、再び新しいエネルギーを取り込むという意味が込められています。

家庭に飾る小さな茅の輪守りは、この儀式の延長として家を清める役割を果たします。

家族で行う「祓い」の心を育てる方法

茅の輪守りを飾ることは、家族全員で「清める心」を共有する大切な機会にもなります。

たとえば、年末に家族で玄関を掃除してから茅の輪を新しく飾ると、空間が一気に整います。

小さなお子さんにも「これで悪い気をお外に出そうね」と伝えることで、自然と感謝と祈りの文化が身につきます。

茅の輪守りは“家庭の神事”の第一歩とも言えます。

形式にとらわれず、日々の暮らしに「心の祓い」を取り入れてみましょう。

まとめ｜玄関に茅の輪守りを飾ることで得られる安心感

ここまで、茅の輪守りの意味や飾り方、期間について詳しく見てきました。

最後に、この記事のまとめとして、玄関に茅の輪守りを飾る意義を整理しておきましょう。

信仰と生活をつなぐ小さな祈りのかたち

茅の輪守りは、古くから日本人が大切にしてきた「祓い」の心を日常に取り入れるためのお守りです。

神社で行われる行事に参加できない日常の中でも、玄関に茅の輪を飾ることで、清らかな気持ちで一日を始めることができます。

特別な儀式をしなくても、茅の輪を目にするたびに感謝の心が生まれる——それこそが、このお守りの本質です。

茅の輪守りは、日常と信仰をつなぐ“見えない橋”のような存在といえるでしょう。

毎日の暮らしに「清め」の習慣を取り入れよう

茅の輪守りを玄関に飾ることは、単に伝統を守る行為ではありません。

それは、自分と家族の心を整え、暮らしをより豊かにするための「日々のリチュアル（儀式）」なのです。

季節が変わるたびに茅の輪を見直すことで、自然のリズムと自分の生活がつながっていくのを感じられます。

そして何より、感謝の気持ちで過ごす毎日こそが、最大の厄除けといえるでしょう。

茅の輪守りを通じて、あなたの玄関が「守りと安らぎの入口」になりますように。

今日からでもできる、小さな祈りの習慣を大切にしてみてください。